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ドッキリ

今日はドッキリにはドッキリを、というおはなしを。

何年前だったかな。

もうだいぶ前。

朝になる少し前のホントに薄暗い時間帯にゴミ出しに行ったんです。

どうせ起きてるし、だったらこのままゴミ出し行って一つの用事を済ませちゃおう、なんて思って。

薄暗いから少し怖かったんだけど、でも出すだけだし、すぐ済む用だから。

でもこの時間帯ってまだみんな寝てるんですよ。

町もシーンとしてて、街頭なんかも付いててさ。

よくお母さんが夜よりも早朝になる前?の方が危ないからね、って言ってた。

夜はまだ、ゆってもみんな何かしら起きてるけど、ホントの朝は誰も起きてないから逆に危ない、とか。

そんな事言ってたなーなんて思いつつ、ゴミ出しへ。

公園の前がゴールで、そこまでの距離は歩いて6〜7分ぐらいかな。

住宅街を抜けた先に公園がある。

で、ゴミを出して、後は帰るだけ、と、その長道を歩いていた所、ナニカの気配を感じた。

ナニカは分からないけど、ナニカが居る・・・と。

いつもの私なら「え⁉何⁉」といった感じですぐに後ろを振り返り「ギャーっ!‼」と騒ぐのですが、あの日の私はちょっと違った。

道路のど真ん中で数秒間、歩いてた足を止めてじーっと立ち止まった。

そして、ゆっくりゆっくり顔だけ、首だけを少しずつ少しずつ後ろに向けた。

体は真正面のままね。

すると、見えたのはだいぶ後ろの方にいる赤い車。

その車は進むでもなくこっちを見ている。

車の中には運転席の男と助手席の男。

それがこっちをじーっと見ている。

その2人を見た瞬間、音を出さずに少しずつ私に近づいてきたのだな、と理解した。

面白い、と、瞬間的に思った。

何かしらの悪さをしようとしたな、と。

そっちがその気なら、こちらもいかせてもらいまっせ、と、変なスイッチが入った。

私は首だけ向けた顔をそのまま直す事なく、先方の様子をじーっと伺っていた。

2人の男は不自然に道路の真ん中で進むでもなく、エンジンをかけたままこちらの様子を見ている。

しばらくの見つめ合いの後、そっちが仕掛けてこないなら、こちらからいかせてもらいますわ~といった感じで彼らを見つめたまま、上半身だけをゆっくりゆっくりとほんの少しずつ後ろに向け動かし始めた。

ある程度上半身が後ろ向きになった後、彼らを見つめたまま、次は、動かしていなかった足の右足を、ゆっくりゆっくりと少しずつ少しずつ上に上げ、上げたまま右にずらし、上げたままゆっくりゆっくりと彼らの待っている方側へと右足を持っていき、ゆっくりゆっくりと地面に右足を落とす。

ここ体幹大事ね。

そして、まばたきも厳禁。

とにかく、体幹を使う、ここ大事。

ここらへん位からだったかな。

全く動かなかった彼らの様子が少し変化してきたのは。

何やら様子がおかしくなってきた。

明らかに動揺し始めてきた。

しかし、私の体はもう止まりません。

彼らの方へ「行くぞ〜」という意志を持って、次は動いていなかった左手をゆっくりゆっくりと少しずつ少しずつ回し動かしながら、と同時に左足もゆっくりと少しずつ宙に浮かせ、彼らの元に「いくよ〜」という合図を送った。

すると車の中にいた男2人はとんでもなく慌てふためきパニックを起こしている。

まだまだ楽しみはこれからだよ〜と思いながら、私は「今からいくよ〜」という意志表示を示し、左手を彼らの方へと伸ばした。

助手席の男は自分だけ助かろうとして、体を下にかがめて前方のガラスから見えないように必死に隠れようとしているが、シートベルトが邪魔をして全く下に潜る事が出来ないでいる。

運転席の男は慌てながらあたふたとした手つきでハンドルを握り、ずっとワチャワチャしている。

そして、必死にこの場から逃げ出そうと、思いっきりバックで急発進し、ダーっとバックした後、曲がり角を曲がり、消えていった。

行ってしもた・・・。

気をつけて〜。

車がすっかり見えなくなった後、何故か私は急に怖くなり、「こわーい」となって、急いで家まで猛ダッシュで帰った。

足音が聞こえないようにつま先でトントントンといった感じに忍び足ダッシュ。

とにかく「こわーい」って思って家に帰りました。

でもあの時、自分は何ですぐ後ろを振り向かないで首だけ傾けて見てやろう、って思ったんだろう。

そもそも全く音なんてしなかったのに、何でナニカが居るって思ったのだろうか・・・。

・・・?

公園の裏手って、墓地なんです。

もしかしてあの2人、ナニカと勘違いした?

このドッキリにタネ明かしは無い、というお話でした。

おかえりなさい。

今日もお疲れ様でした。

2025年3月12日(水)13時13分

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